心が成長するとき

大人になってからは長い休みって、なかなかないですよね。お正月やお盆にせいぜいあったとしても一週間くらいです。なかには長期の海外旅行に行く人もいるかもしれませんが、少数派だと思います。そう考えたら、子供の時は良かったなぁなんて思います。学生の時には、たとえば夏休みなら、何をしようかな、どこに行こうかな、なんて友人とウキウキしながら相談したりしていました。けど、その学校に行かない長い期間って、今になって思えば、心が成長していたなぁって感じるんです。
小説を読んでいても主人公が学生ならば、そんな休みの間の出来事の物語がよくあります。春ならもうすぐ入学式だという一節から始まったり、夏なら夏祭りや盆おどりがストーリーの展開に大きく関わったり、そして恋愛小説では何と言っても冬はクリスマスです。
そして、それぞれに主人公は一周りも二周りも大きくなって、その休みを終えるんですよね。学校では経験できないことを吸収できる貴重な時期が今となっては本当に懐かしい。
通勤途中にしばらく見かけなかった小学生や中学生を見ると、新学期が始まったんだなって思うし、その後ろ姿になんだか成長の跡が見える気がします。電車に乗れば、しばらくの間少し空いていた車内に活気が戻り、高校生の賑やかな声がまた響くようになります。座って本を読んでいても、私はふと顔を上げて楽しそうな彼らを見ます。きっと心は一歩大人に近づいたんだろうなって思いながら。でも、それは、昔の私自身を振り返っているからなのかもしれません。