卒業した本

小さい頃、あるいは10代の頃、あるいは大人になってからでも、一時期すごくはまって何度も何度も読んだのだけど、あるときを境にふと読まなくなった本ってありませんか。私は成長過程で何冊かそういう本があります。たいてい小説なのですが、はまったときは本当にしつこいぐらい、もう内容は覚えているのに、繰り返し、繰り返しなぞるように読むのですが、読まなくなったら本当に読まないんですよね。私はこれを「卒業する」と思っています。私にとっての小説というのは、趣味や娯楽としても大きいですが、自分の感性を育ててくれるもの、相談相手とも思っています。なので、人生の局面、局面で、何か必要なパワーを小説から吸収しているんじゃないかと思うんです。だから、繰り返し、繰り返し、読む。そしてそこを乗り越えたら読まなくなるんじゃないかなと。でも、そういった本はたいてい手放しません。なんというか、読まなくなっても、いつまでも自分を応援してくれるお守りのような存在として、そっと取っています。たまに、内容を読むというよりは、アルバムをめくるような気持ちで見返すこともあります。この本がなかったらどうなっていたのかなと思うような重要な本が特に何冊かあって、本当に自分は本に恩を受けまくっているなと、思っています。